極東最前線

Monday, April 24, 2006

私の中のハッスル16

笑えども、笑えども、
その刹那だけの楽しみ。
楽しむ感覚を継続するためには
自己の鍛錬が必要となる。
刹那の楽しみを、己の中でどのような形で膨らませるか。
想像や妄想を膨らませ、エンターテイメントをもう1ランク上のものとすることが出来るか。
エンターテイメント=セカンド・ライフ
その方程式にすることができるか。
笑う方が幸せか、只々日々の人生、事象が起きてからそれに反応するだけの方がいいのか。
事を自分で望み、それに奔走するのか、
それとも受動態のみの人生を歩むのか。

私の望む社会にエンターテイメントと言う分野は欠かせない、と考えています。
人は笑顔が一番美しいと考えているからなのです。
決めつけと捉える方も多いとは思いますが、
貴方自身が快楽を望んでいるか、重苦を望んでいるかを考えてみてください。
楽しいことの方がいいに決まっていますよねぇ。
私は楽しいことの方が好きですよ。

エンターテイメントにも様々な形があるものです。
第3者が観て楽しめるものは、エンターテイメントと位置づけられるに相応しいと思うのですが、
第3者も大勢存在するわけですから、その観ている人間全てを楽しませることが出来るかというと
そうではないものです。

先日、職場の友人に誘われ、『ハッスル16』を観戦してきました。
つまりはプロレスなのですが、日本の今までのプロレスとは少々ベクトルが違うプロレスな訳です。
エンターテイメント路線に徹底した、正にファイティング・オペラ。
戦い云々と言うよりも、ドラマティックな展開を感じるためのプロレス。
アメリカのプロレス団体WWEのそのシステムによく似た、
ドラマを見ているような感覚になるのです。

私、WWEが好きでよくテレヴィジョンで麦酒を煽りながら観戦しているのですが、
戦い、つまりは技の凄さ等は『あって当たり前』と感じているのです。
プロレスラーなのですから、技のかけ方かけられ方は上手くて当たり前。
そして高度な技、ラナ系の技やダイブ系の技なども織り交ぜてくるのは当たり前であって欲しいわけです。
勿論、上手い下手の差はあると思いますが、それはそれでオッケー。
というのもキャラクターを重視して欲しいという私の勝手な願望があるからなのです。

WWEでは、『SmackDown』と『RAW』と言った2枚看板番組がありまして、
日本のプロ野球で喩えるならば、セ・リーグとパ・リーグの2つの団体に分かれているシステムであると思って頂きたい。
SmackDownに所属する選手はRAWには出演しないし、その逆もあるわけです。
しかし団体としては同じWWEの選手ですから、月1回のPPV(特番)で闘うこともある、というシステム。
その中にドラマを織り交ぜてくるわけです。
さも垣根が高いように思わせておいて、その高い垣根を困難に超えたかのようにPPVでの試合を盛り上げる。
全てが高度な技術を要する脚本に出来ていることなのですが、
我々WWEファンはそんなことはどうだっていい。
プロレスを観ているのと同時に、ドラマを見るような感覚で楽しんでいるからなのです。
そう、あなた達が月9のドラマを見て、キムタクさんの表情に一喜一憂するように、
私達はHHHやアンダーテイカーの悲しみに一喜一憂する訳なのです。

私が『ハッスル』を生で観戦して感じたことは、
「何だか日本のプロレスじゃない感じやな〜」
と言う感覚です。
私が今まで生で観てきたプロレスで、あんなに女性の入場客が多かったのは初めてですし、
あんなに笑ったプロレスも初めてでした。
本当の職業がプロレスラーではない人間(インリン様やレイザーラモンHG等)が
プロレスという看板を立てたイベントで、あれだけのパフォーマンスが出来ることに
ただひたすら感服しましたし、感動すらも憶えました。
それは偏にマーケティング、コマーシャリングの上手さが光っているのだと思います。

そして何よりも嬉しかったのです。
「日本の格闘技業界は、まだプロレスを捨てていなかった」
ということに感動しました。

最近の日本の格闘技業界は、どうしても総合格闘技やリアルファイトのスタイルに
こだわりすぎてしまっていて、PRIDEやK-1といったリアルを求める格闘技が主流になってしまっている傾向にあります。
そこで、如何にプロレスはそれらリアルファイトを差別化しプロレス独自の美学を追究していくか。
その追究の揚げ句が「ハッスル」凝縮されているように思える訳なのです。
しかもPRIDEにしてもハッスルにしてもDSE(ドリーム・ステージ・エンターテイメント)が手がけていると言うところに感動を覚えてしまうのですね。
「総合格闘技は、まだプロレスを見捨てたわけではなかったのだなぁ。」
「格闘技ファン=プロレスファンではないことをDSEはわかっていたのだなぁ。」
なんて。

何はともあれ、TAJIRIが見れてよかったです。
以上、感想文でした。



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