極東最前線

Sunday, November 13, 2005

アナルコ・サンディカリズム

晩秋、もの寂しい季節になってまいりました。
蕭々たる
寒蛩に耳を傾けては、独り頂き物の泡盛でちびちびやっております。
BGMは鉄アレイさんの2ndアルバム『鉄アレイⅡ』です。
強烈なメッセージにガツンときます。やられます。
酣酔気味の身体で聴くと打ちのめされてしまいます。

皆さんも一度聴いてみてください。

 何か違うだろ
 辻褄合わせと偽りと
 金が人殺し
 手にするものは砂の上 By 鉄アレイ

精神論と理論という思想的格差を超越することの困難さを教えてくれる曲ですよね。
精神的に内包していることが、そのまま思想になるかというとそうではありません。
精神+社会秩序+妥協=理論
という計算式が人々の思考の中に根付いているように思います。
どうしても精神有りの儘を思想とする訳にはいかない社会秩序(基盤)があり、
それらを受け入れざるを得ない抑圧が妥協を生む。
そして人間一人一人の思想、つまりは理論と成っていくのです。

私としては精神的に開放された状態が最も好きなのですが、
それをアナーキズムであるとか左だとか言われてしまうと困ってしまいます。
私は右でも左でもありません。

しかし極端な話ですが、アナーキズムという考え方はある意味では理想的ですよね。
国家という枠に囚われず、個々の自由というものを尊重し、個々で助け合いながら生活する。
机上の空論かもしれませんが、自由の尊重という意味では私はアナーキズム肯定派です。

いいものはいいと、厭なものは厭と思うことに何か問題がありますか?
君の弾圧を以て新たな軋轢を生むことを、私は最も嫌うのです。
だから私に強要しないで。
だから私を解析しないで。
だから私を殺さないで。

そこで突然聴きたくなったので Dead Kennedys
の『Nazi Punks - Fuck off』にBGMをチェンジ。
ナチナチナチナチナチナチナッチ〜♪
ナチスの事です。安倍なつみさんの事ではないです。
つまりはジェロ・ビアフラはナチパンが嫌いだ、と言うような曲です。
分かり易い、素敵なメッセージね。うふ。

日本のアナーキズムの代表人物として誰もが挙げるのは、かの有名な大杉栄先生。
今ここで私の大杉栄先生への熱い想いを書くと、長くなりすぎてしまうので敢えて書きませんが
決して崇拝している訳ではありません。
彼の残した形跡を只々尊敬しているのであります。
彼は「秩序
紊乱」という文章の中で

 人と人との、国と国との、絶えざる戦争。
 海に、山に、空に、轟く鉄砲。田園の荒廃。
 幾世紀かの間の幾多の膏血の累積より成る富の破壊。
 数万、数十万、もしくは数百万の若き生命の犠牲。
 これすなわち「秩序」である。
 (中略)
 
ああ、僕らはついに、生涯を通じてこの「秩序」の下に蠢動しつつ、
 その「紊乱」に従わなければならぬ。
 「秩序」は僕らの死であり、その「紊乱」は僕らの真の生である。


と説いています。
世の中にざらにある現象の一片一片を秩序とし、
己達がその秩序を紊乱、即ち乱していると。
秩序を敵とし、その紊乱を正規として彼は常に戦っていたのです。

思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そしてさらにはまた動機にも自由あれ。(大杉 栄)

よし、今日はアナーキズム・ミュージックばかりを聴く日にしてみよう。
次は Black Flag の『Rise Above』です。
らいざぼ〜うごだらいざぼ〜♪
いいね。ノってきた。
ポジティブなミュージックですからね。

 てめぇらの嫌がらせにはもうウンザリだ。
 俺たちを止めようとしているが、そんなの無駄だ。
 乗り越えろ。乗り越えてやるさ。 
By Black Flag

あ、CRASS 聴かなくちゃ。CRASS。クラス。
ナインティ・ナインティ・スリ〜♪ 恋を〜した〜♪
違う違う!それはクラス違い!それは CLASS のほうやって!
危ない危ない。

70年代終わりから80年代にかけて活動した CRASS
CRASS のユーモアと反抗心満載でありながらも知的かつ詩的な歌詞からは、
初期アナーコ・パンクにあった、あらゆる抑圧に対する激しい嫌悪と共に表現の豊かさ&奥行きを感じます。


CRASS のアナーキズムは、メンバー自分達だけで完全自給自足。
フランスに自分たちだけの村を作って暮らすほどエクストリーム。
当時のレコードは勿論自費出版。
「メッセージをより多くの人々に聴いてもらいたい」
と言うことから、1枚あたりに黒字が1円もでないほど安価で販売。寧ろ赤字。
ライブも同じ。
タダ同然の額でやっていたのです。
プロモーションビデオが是又ショッキング。
ちょっと落ち込んでしまったりします。
久々に見よう。今から。

- - - - 鑑賞中(35分) - - - -

見ました…。
相変わらず…。
落ち込むというか悩まされると言うか…。

さて、一頻り打ちのめされたところで終わります。
ポップでキャッチーな曲でも聴いて寝ます。


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