司る者
私、土地を少々所有しておりまして、はい。
地主でおま。うくく。
土地を所有していると何かと面倒がかかるもんで、
家を建てるとき、駐車場を作って賃料をとるとき、売却するとき、
くらいでしか、地主としての本領を発揮する事はそうそうないものです。
かく言う私も地主ながらも何ら手を加えていない土地という事もあり、
ちくとも儲け等とは無縁の輩でございます。
なので私の事を、
「成金主義の産んだ愚僧」や「銭ゲバ」のような表現で罵倒、中傷する行為の全てが
勘違い、若しくは夢見心地な訳です。
お金無いよ。貧乏人よ。乞食よ。私。
将来、ゆくゆくはその土地に小さな家を建てて、
ピアノと暖炉でゆっくりと。
そして集会場、若しくは講演会場、文化会館のようなものも建てられればな、
などと考えております。
そして私の思想、願望などを声高らかに皆に伝えられればな、と。
え〜。ピポーフヤー。あ〜あ〜。
私の声が聞こえますか?皆さん。
私の心の声が聞こえていますか?皆の衆。
見ないでください。
私はこれより皆さんをおろします。え〜。
何を何処でトチ狂って、この集会にお越しになったのかは存じ上げませんが、私は皆さんの敵で、今こうして皆さんの目の前に現れたのも、皆様のその日本刀で私を切って貰うためなのでございます。
成敗してください。斬れ。
私にはあなた達が何を考えているか何ぞちくとも解らんのであります。
だから斬りなさい。斬り捨て給へ。
私の血で全てを洗い流しなさい。
私の血で全てを悟りなさい。
苦しみ、重苦と成りうる事もございましょうが、洗礼として全てを受け入れなさい。え〜、あああ。
全てを受け入れなさい。
全てを受け入れなさい。
全てを受け入れなさい。ががが。
そしてあなた達は又、働きに出なさい。
職を全うする事を秩序として、己の均衡、安泰を保つために、
日々、職に勤しみなさい。
見える筈です。あなた達にも私の見たビジョンの有りの儘が。
そして嘆くのです。とことんまで堕ちるのです。朽ちるのです。
己を窮地に追いやるのです。何も考えてはいけません。
その日本刀を片手に、嗚咽を漏らしながら、
何時来るやもしれぬ終末に恐怖し、生を受けた事を受け入れる事が出来なくなるやもしれませぬが、
受け入れるのです。ききー。
空を見るのです。星を見るのです。
その星に住む未だ見ぬ我々とは違う人類を想い、考えるのです。
その星に住む人類が、もしも我々と全く同じならば、と。
私たちは思い憂うのです。
なぜ、そんな小さな争いごとばかり続けるのだ、と。
なぜ、そんな小さな星で殺し合いなどしているのだ、と。
実際、遠くの星の事は私にも皆さんにも知る由も無いところではありますが、
皆さんが今住んでいる星の事は、身近なのでよく分かりますよね。
見てください。あなた達の周りを。
何か感じますか?
何も感じませんか?
何も感じないならば私を斬りなさい。刻みなさい。
しかしながら、これだけは覚えておいてください。
貴方が日本刀で切り刻んだ男のことを。
貴方のその手で何が行われたかを。
貴方のその目に何が映ったかを。
殺戮ですか?虐殺ですか?
神剣に集る蠅を薙ぎ払っただけですか?
皆さんの星は足下です。
見てください。ぴやー。
見てください。
ぴぴぴ。時間です。
の様に、偉そうな事で皆さんを罵倒しますので、
皆さんも私を散々罵倒してください。
どちらかがキレるまでこの集会という名の試練は続きます。
そんなこんなで、私の持ってる土地。
つまりは火星についてのお話でした。
ええ、火星の土地を1エーカー(約4,047平方メートル)程。
地上げ屋風情の若い衆に警告
『欲しいなら3兆火星ドル持ってこい』
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