アゲインスト
夏風が茹だるような暑さと苛立ちを運んで来るようになり、
飛ぶ鳥も心なしか勢いがないような、そんな季節。
皆さんは如何お過ごしでしょうか?
何事に於きましても「抵抗する力」と言うものは絶大なるものでして、
チャレンジャーのときは反骨精神を武器に突き進むのみのスタンスで闘っておりましても、いざチャンピオンになってしまうと一つの達成感から闘争心がぐっと落ち、気付けば意気消沈してしまっていることが多いように思えます。
何かを変えるために闘うのと、何かを守るために闘う事というのは、
人によりどちらに闘争心を見出す、又は芽生えるかは様々であると思います。
病気の時を例に挙げてみますと、風邪などをこじらして頭痛が非道いと言うときは、
体の中の病気に対しての免疫、つまりは抵抗勢力が闘争心を剥き出しにして、
反骨精神のみでその病原菌と闘います。
しかしながらいざ病気が完治すると、その免疫群は何事もなかったかのようにその姿を私達の前(中)からその存在を隠し、また日陰の生活に戻っていきます。
免疫体とは抵抗することしかできない、根っからの「チャレンジャー気質」なのです。
世界が保有する核兵器を例に挙げてみますと、これはけっこう微妙なラインであるように思います。
守るために保有し、話をするために保有し、闘うために保有する。
世界大戦以来、核兵器の実戦使用は一度も行われていないわけではありまして、
その保有の目的は、話し合いを優位に進めるための一枚のカードとしての役割が高いと言われています。
核兵器を使用する前、つまりは保有段階では、ナイフをちらつかせるオヤジ狩りの少年のように、
脅迫的な役割を担うそのカードも、いざ使用したとなるとその国の社会的な立場は窮地に立たされてしまうでしょう。
経済封鎖や社会的な制裁を受けるのは勿論、最悪はその国家の存続すらも危うい立場に置かれる。
使うことがあまりにもハイリスクな「使うことより持つことに意味がある」という微妙なカードな訳です。
つまり抵抗する立場で核を保有する事を前提にしていても、それは己を、国を守るために保有するという事でもあると言うこと。
「核兵器とは武器であり、鎧でもある」
なんて言う言葉を時折耳にします。
この言葉が核兵器の全てを物語っているようにも思えます。
国によっても保有する意味は様々でありまして、亜米利加や露西亜、英吉利、仏蘭西のような大国は、戦略的、地域の安定を基盤に核を保有することが多いと思われますが、イスラエルやパキスタン、イラン、北朝鮮のように経済的、軍事的に脆弱な国にとっては最終的な安全保障として核に頼らざるを得ないというような考え方があるようにも思えます。
核の効力が世界を変えるほどの存在であるが為に、その最強で最後のカードの保有に皆憧れ、頼るのです。
ポーカーなどでジョーカーを使わずにフルハウスをそろえるのは正攻法であり、且つ難しい手ではありますが、ジョーカーを数枚使って役を揃えるのは比較的容易です。
只、「それはナンセンスだよ」と言われ、揚げ句「汚い手やね。そんなんポーカーちゃうわ。」なんて。
しかしそれは歴としたポーカーなのです。
汚い手と言われようが、反則と言われようが、ジョーカーは皆の憧れ。
喉から手が出るほど手に入れたいカードなのです。
核のカードがジョーカーと言われるのも、そういったこと。
比較的容易に己の好きな役を揃える為の最強の手段なのです。
私はポーカーをするときはジョーカーを最初に抜いておきます。
只相手には「ジョーカー入れとるからな」と期待をさせる男です。
もしも国家ではなく個人が核兵器を保有、使用したらどうなるでしょうか。
今現在のこの社会では、核兵器というものは個人単位で言えば、特別な問題にしようがないと言うことが言えるでしょう。
それは個人的な核開発と言うことが極めて困難な社会に生きているということも然り、費用や規模、技術的観点から見ても夜な夜な六畳一間の部屋で秋葉原で購入したパーツを使って、ネットでマニュアルを見ながらこつこつ作りました、てな訳にはいかないというのも現実です。
国家間でのやりとりの上でしか問題視されない核兵器ではありますが、テロリストと国家が密接に結びついた国がある今の社会に於いて、核兵器は個人的な日常に全く関係ないものであるかというとそうではありません。
1970年以降、米国を中心にテロ組織による核兵器の使用が最も身近な核への脅威となっております。
自爆テロなどのニュースが頻繁にテレヴィジョンや新聞などで取り沙汰される昨今。
百貨店などで置き去りにされたスーツケースを落とし物センターに持っていく途中で、突然館内アナウンスが流れ、
「ピンポンパンポン♪ご来店のお客様方にご連絡申し上げま。ただ今アメリカ国防総省からの連絡によりますと、館内に爆弾が仕掛けられたとの通達がございま。館内のお客様は直ちに避難をお願い申し上げま。ピンポンパンポン♪」
百貨店のウグイス嬢(と言うかどうかは知らないけれども)は「ですます調」の「す」を言わない事がえらく気になることはさておき、そんな館内アナウンスが終わると同時にそのスーツケース型核爆弾が爆発し、週末の百貨店は瞬く間に血と火の海、悲劇と惨状の舞台と化すのです。
そしてその爆心地の百貨店は石棺で覆われ、半径数十キロ以内は以後100年人が住めない場所となるのであります。
あのチェルノブイリのように。
もっと身近に、マンションの隣の部屋のおっさんが臨界実験とかしてたら、
おちおち夜も寝られやしない。ましてや何も食えやしない。
何かされたらおっかないから文句の一つも言えやしない。
そんな恐怖に陥りますよね。
ここで一句。
気を付けよう
甘い言葉と
核兵器
ⓒK.Katoh
そうなのです。
もう個人個人が非核三原則を守っていく時代がきているのです。
「俺たち一般市民には関係ないよ」てな顔していられる時代は遠い過去の話となりつつあるのです。
と、話は少々脱線致しましたが、抵抗する力。
私個人も恐らく根っからの「チャレンジャー気質」でありまして、
何をやるにしても、そのやっている過程に充実感を見出してしまい、達成されれば又次のターゲットを求めて彷徨ってしまっているような気がしています。
プラモデルを作る感覚と似ているような気がします。
皆さんは如何ですか?
私、今強烈に体調が悪いのであります。
頭痛はするわ、目眩はするわ、嘔吐はするわでもう散々。
Blogの更新もままならない状態。
この体調に打ち勝つために免疫を頼るだけではなく、無理に大きい声を出してみたり、シャドーボクシングしながら走って帰ったり、空気椅子で仕事してみたりしてはいるのですが、余計に体調が悪くなっているような気がしてしょうがありません。
何故なのでしょうね。
さて、味噌汁でも啜って寝ます。
1 Comments:
ん、体調悪いの!?大丈夫・・!?
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